■ 渓流釣具の(少しだけ)役立つウンチク ■
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■ 竿 |
竿の長さは川幅によって決められます。長ければ、ヤマメに気がつかれない距離からポイントを攻めれる反面、取り回しは不便で、重くて感度もわるくなります。短い竿はポイントまで届かないので立ち込みが多くなり、必然的におぼれる回数が増えます。
ズーム(マルチ)は、あってもなくても大丈夫。縮めるときに抵抗があるのが欠点です。ない竿の場合は縮めてジョイント部分を握れば済むこと。流行の柔らかい竿は、細イトが使えて喰わせやすいけど早アワセが難しく、落ち込みからの抜き上げが大変になります。
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糸の長さを変えれるのが便利かも、って思って落ち込みの多い源流にリール竿を持って行きました。
結論:ダメです。ガイドや途中の糸が枝に取られて釣りができません。道イトが竿先に直結されてないため感度もよくありません。 |
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釣師の大敵、竿の固着。
振り出し竿の宿命ともいえる固着は雨の日に多発する。乾けば外れることもあるが、完璧に決められた場合は手に負えない。もし竿が折れたらその出費は交通違反よりもイタイのだ。写真の製品は固着防止効果のある木蝋。結構効果あります。 |
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■天井糸 |
本来の、濡れた竿先への絡みつき防止というよりも、ラインの向きを知るのにいいようです。道イトを短くできるので、ハリスを通しで使うときのコストセービングにもなりますが、結び目でのトラブルも増加します。縒糸の専用品でなくても蛍光のナイロン糸で代用可能。長さ違いで何本か用意しておいて、現場で仕掛けの長さを調整するのがオススメです。天井糸なしで使うときには、上から50cmくらいの所に目印を付けると見やすくなります。 |
■ライン |
道糸にハリスをつけるのはロスト&コストを前提にした方法です。
釣ることが前提なら、上下で水の抵抗が一定になり、テンションも全体で均等に吸収してくれる通しがベスト。濁りと喰い気があれば0.4号。普段は0.3号、夏場は見えにくい0.2号と使い分けます。細いハリスは風や水の抵抗を受けず、動きも自然なので格段にヒットが増えます。根掛かりしても切れるのは大抵チモトだから大丈夫。とは言っても、やはり枝掛かりなどで回収率は低く、ロストが増えるのは避けられません。太ければ太いほど丈夫で長持ち、サカナも掛かりませんからまったくの手間いらずになります。
太イト派の人は、ラインを魚に見せないように釣るのがコツらしいです。ドライフライのようにエサを水面に流すか、または見切られるだけの間を与えないよう、最初からピンポイントに入れるのも効果があるそうです。
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ラインは1号あたりおよそ2kgの引っ張り強度があります。号数と強度は比例しますから、0.3号なら
2kg x 0.3 = 600グラムの魚を吊り下げても大丈夫ということ。押しのつよい本流以外なら40cm級のヤマメは捕れると思います。結び目で20〜40%ほど強度が落ちるのを計算に入れてください。 |
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■糸巻き |
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■目印 |
カラフルに染めた水鳥の羽根、山蕗の芯、薄いプラスチック板、発泡スチロール片、タバコのフィルター。ポン菓子にカッターで割れ目を入れても使えます。いちばんポピュラーなのは毛糸でしょうか。3本くらい結びつけてラインの方向やエサの流れる深さを知ります。アタリをとるのが目的ですが、流れが速い場所では、サカナがエサをつついても目印の動きには出ません。アタリは目ではなく手でとるのがあたりめぇ。 |
■オモリ |
ライン切れ防止のため、柔らかいガン玉を指の力だけで取り付けます。それで動かなければいいのですが、ヒットのショックでズレ上がったり、弛んでチモトまで下がったりします。そこでインディカ米みたいに長いコータックのシンカーを使ってみたらトラブルが減りました。カラマン棒の役目をするのか、沈めるのが速くても糸がらみしません。ただしオモリが底石をこすると引っかかりやすい気がします。 |
■ 鈎 |
大きなサカナには大きな鈎と言われますが、小さい鈎でも鈎先の出具合いさえ注意すれば大丈夫。目立たないよう、エサを傷めないよう、ヒットのチャンスを増やして自然に流れる小鈎がオススメです。不良品が結構あるのでメーカーは選んだ方がいいです。OWNERのカッパ極6号は川虫用の細軸ですが、ミミズが通せるギリギリの大きさ。お勧めです。 |
■エサ |
エサ一覧表はこちら |
■エサ入れ |
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ダイワのクールベイトが弁当箱みたいにデカいので、ベルトに取付けるタイプの小型エサ入れを首掛け式に改造しました。さらにミミズ通しを固定できるように工夫。これは便利!ミミズ汁がベストに付く不潔さから開放され、爆釣みみずくんもすぐに取り出せて、しかも失くしません。
竹筒のエサ入れは川虫が弱りにくいのが長所。深すぎると取り出すのに苦労します。大岩ゴロゴロの場所ではカタンカタンぶつかってウルサイのが短所。右は川虫専用の通気穴つき。
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■ナイフ |
魚の腹を割って処理するほか、イトが引っ掛かった枝を切ったり、崖を登れないときのピッケル代わりにと山釣りの必需品。ヤマメの口から差し込んで、口蓋の上奥にあるエラの付け根を切れる巾を基準にしてください。ケガをしたらリバテープ。(川だからね) 使用レポートはこちら |
■ピンオンリール |
ワイヤーに常に引っ張られているので使いにくいです。使い勝手ならカールコードの方が上ですが、長さが邪魔になるときはストッパー付きのリールを探してください。どれも壊れやすいですけど、センターにボタンのあるタイプは丈夫で、安い・軽い・引っ張らない。ボタンひとつで巻き取ってくれます。
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■鈎はずし |
ディスゴージャー。いろんなタイプがありますがどれも使いにくく、先曲がりのステンレス製小型プライヤーが一番です。落としやすいので注意。 |
■魚籠 |
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竹製のビクは通気性がいいけど、中が透けて見えるので、獲物がないときに恥ずかしいです。クリールの場合は、凍らせたドリンクを入れて持ち歩けば一日大丈夫。(ドリンクは溶けた分だけしか飲めないので暑い日はダメ)
重いのがイヤなときは塩を持って歩きますが塩のつけすぎに注意。塩からくて食えなくなります。
写真のタイプの容量は良型20匹くらいです。プライヤーのホルダーを本体に取り付け、カールコードで脱落防止。オレンジ色のクリップは緊急用ホイッスルです。 |
■ネット |
リリース派以外には無用の長物。水中に立ち込んで釣るとき、たまに役立つくらいで、藪コギのときに決定的にジャマになります。どうしても欲しいなら折りたたみ式で、ネットの目が細かいものを選んでください。川虫確保に利用できます。
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■ウェーダー |
WADE=川を渡る・水中を歩く 魚河岸タイプの長靴一体型。ソックス+シューズ。タイツ+鮎タビ。すべて一長一短があります。おなじみのブカブカのウェーダーは水の抵抗が大きいうえ、水没したときはかなり危険。ぼくは現場で脱げずに家までズブ濡れのまま着て帰りましたもの。聞いたハナシでは、空気の溜まった足先をすばやくナイフで切り裂けばいいのだとか。
ネオプレーンのタイツは脚が自由に動かせるし、細いので流れが速くても大丈夫。浮力もあって安全です。3ミリが標準ですが2ミリでも寒くはありません。安いのは伸びが少ないのでお腹がキツイです。夏場はナイロン100%の沢登用パンツが超オススメです。
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■ベスト |
着る道具入れ。投げ釣り用・バス用・フライ用・鮎用などがあって、立ち込みが深いほどたけがショートになります。竿を固定できるように改造すると高巻きに便利ですよ。
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■帽子 |
移動のときには視界が遮られるので後ろ向きにかぶりましょう。ボクはよく大きな木の枝に頭をぶつけて気絶してます。 |
■手袋 |
手の平保護のためにも、ヤマメに低温ヤケドさせずにリリースするためにも必需品。藪コギのときにイバラを掴むので消耗が激しいうえ、忘れやすいのであちこちに入れておきましょう。渓流釣りは細いラインですから、ベルクロタイプだと引っ掛かってトラブルのタネです。指先が出るところの処理にも気を付けてください。ほつれて鈎が掛かります。掛かればまたほつれるのでボロ化急加速!この前、鈎がかかって時間をとられているうちに置いて行かれて迷子になりました。手袋ひとつで遭難でっせ! |