2011年の3月1日は火曜日である。その前日は月曜日。
どちらも平日なので勤め人には辛い日の巡りだ。だから釣りに出かけるために会社を休むぼくは後ろめたい。だけど、ライバルの釣師たちが少ないことはいいことだ。それで解禁前日から民宿に泊まって初釣りの大漁を目論んだのである。
同部屋の釣り仲間たちは前夜遅くまで騒がしく飲んでいて朝になっても起きてこない。とりあえずクルマの持ち主のフトンを引っぱがして起こし、無理矢理にポイントへと向かう。ところが平日だというのにライトを点けてウロウロしているクルマがいるではないか。あっもう着替えて釣り始めている!!これはイカン。本命ポイントを取られたら大変だ。
そこで急遽本命ポイントに急降下して慌ただしく竿を出すのだが、チビッコに鈎を呑まれてしまって時間を浪費する。どうもぼくは優しい性格がジャマをして鈎を外すのがヘタなようなのだ。それで糸を切って鈎を結びかえることが多い。ほかの釣師を見ていると身肉が引きちぎれるのなんか平気で鈎外しをグリグリとやってるもの。でもそれではリリースしても生き残るチャンスはゼロなのだ。
次もチビッコだ。またしても鈎の結び替え。解禁日はまだヤマメがスレてないのでいつもの0.3号ではなくて0.5号にしたのだけどそれでも細イトは結ぶのに手間がかかってしかたない。またチビッコが釣れた。ラインが木の枝にかかったけどとにかく鈎を外してリリースだ。手を伸ばして木の枝を掴み折って糸を回収する。もう一カ所からんでいるので、これも小枝を折って目の前で糸を外す。あぁやっと外れたか。
どうも解禁日は調子が出ない。まだカンが戻ってないのでトラブルが多いのだよ。と、ひとりグチつつ下をみると竿と穂先が別々の場所にある!!
やっちまったーー。
急坂を登ってクルマまで戻り、予備竿を取ってくる。クソっ!自分のせいでせっかくの時合いがムダに過ぎていく。しかも予備竿はこの川には長すぎて取り回しがよくないし、ゼロだから柔らかすぎて抜き上げができない。
とにかくそんな具合でさんざんだったのです。
雪解け水が流れ込んで水温が低くて喰いがよくない。アワセると素バリを引く。それで喰うまで待っているから呑み込まれるのだ。水流があるからナマリを重くしている。だからアタリが取れない。鈎外しがヘタなので糸を切る。糸を切るから鈎を結び替える時間が取られる。オレはもうダメだ・・・・
と、そのときです。ググンと引き込む重量級のアタリ!竿を寝かせて渾身のチカラ比べ。水中を奔る魚体が見える。ゼロの竿を満月にしならせながら浅場にズリ上げて勝負あり。尺モノだ。記念写真。
これなら鈎を替えても文句ない。次もさらに重いゴツンとしたアタリ。でも鈎が外れて逃げられてしまった。0.5号でも歯ズレは仕方ないのか・・。
次もまた尺モノ。これは貰った。次も貰ったな。でも次は釣り落とした。今回は釣り落としが多い。いくつも取り逃がした。足元でバレたときは素早くやれば捕まえることができそうだが、でもたぶん無理だろう。うまく逃げたやつはおーっ驚いた。何があったんだ。おー。と言っている。もちろん口では言えないが動きがそう言っている。ビュンととりあえずその場から離れて岩陰に身を寄せ、一瞬の間をおいて上流の深みに突進し、途中でまた「く」の字に方向を変えて逃げる。
押しのつよい狭い水路にエサを入れたら大物が飛び出した。こんな小場所から出るとは驚いた。浅場まで引き寄せることができないので抜き上げたけどバレてしまった。こいつもおー!驚いた!おー!と言いながら全速力で逃げていった。今回はホントに釣り落としが多い。
でも釣果はそこそこ。いろんな理由で数は釣れなかったけど一匹一匹が大きいので満足なのだ。普段はあまり釣れないので解禁日くらいは爆釣しないとね。
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事前の道路情報でチェーン規制だと知っていたのでクーラーに氷は入れてこなかった。雪を敷き詰めた方が冷え具合が優しいような気がしないか?
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解禁日の夕食のオカズ。右上のヤマメのお腹を見て!イクラが入っているでしょ。このまま焼き魚にすると焼けたイクラが旨いんだよ。 |
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