占 例

本筮で得られた卦は、どのように見ていけばいのか。ここで実例を挙げて説明してみます。
男性の場合、かかえる問題の多くは仕事に関することです。わかりやすい占例があった
ので、よければ参考にしてみてください。

 

採石場で働く中年男性が転職のことで相談に来られた。
逞しく日焼けして体力も気力も充実しているようにみえる。親方と深刻なトラブルがあったとのことだ。このまま仕事を続けるべきか職場を離れるべきか迷っている。
知人から新しい働き口を見つけてもらってはいるが、遠方すぎて故郷を離れるのに抵抗があり、自分では判断がつかない。これからどうなるのだろうか、との相談である。
手のひらは肉厚で、掌線は力強くシンプルである。真面目な性格のようで、ことさら親方に反抗的な態度をとるタイプではない。名前も親の理性が感じられるよいものだ。


 

 









































































































 

   

筮竹を振り分けてだすのは、天文・人文・地文の3組の爻卦で、のこりはすべて自動的に得られる。
一番手前、つまり最初に出た爻卦を地文といい、ことの始まりをあらわす。ここでは「風地観」である。これには「観察・様子を伺う・岐路」という意味がある。

つぎの人文は、ことの核心である。「雷沢帰妹」は「手違い。思惑はずれ」の意味で、親方とのトラブルをあらわしているようだ。

最後の天文は最近のことである。「天沢履」には「他人からの引き立て」という意味がある。これが仕事を紹介してくれた友人のことだろう。
天地には「天地否」があり、親方との関係が見えている。現在の状態をあらわす本卦の「火地晋」は急に明るくはならないが、事態が好転する立派な卦である。
二爻変して之卦が出ているのは、近い将来に変化があることを示している。「震為雷」の象意は、「働く・長男・東の方向・進む・多少の愁い」だから、転職する方向にあることが確信できる。本心はもう決まっているかのようだ。卦の通り、長男だということなので家のことが気にかかるのはしようがない。転職先は大阪で東の方向にあたっている。主爻に「不安」があるが、杞憂に終わることが多い。互卦に「水山蹇」金銭の悩みがある。これも転職する以上は当然のことだろう。それよりも「足の痛み」が気になったので訊いてみたところ、三か月ほど前にベルトコンベアに挟まれて、ふくらはぎに大怪我をしたとのことだ。

 


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