ほやと群体クラゲ
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ころがる貝のリズム
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海の生物のうち貝類は約10万種が確認されているが、中でも珍しいリズムに支配されているのがフジノハナガイである。太平洋側の砂浜にすむ、小指のツメ大のピンク色をした二枚貝である。彼らは打ち寄せる波のリズムに合わせて生活している。やっかいなことに波打ち際でだけしか生きられないので、潮汐に合わせて一日中コロコロと移動する必要がある。
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生物ソナー
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草原の象は、頭骨の容積が大きいので、超低周波音を使って同種間での情報交換をおこなっている。空気媒体の性質上、密度の高い情報は望めないが、信号の到達距離は数10Kmにもおよぶとのことだ。
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擬態するギンポ
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擬態にはいくつかの種類があるが、ペッカム型とは攻撃的な擬態のことである。お掃除魚としても、性転換魚としても有名なホンソメワケベラ(本-染め分け-遍羅)は、タカノハダイやクエなどの大型魚についた寄生虫を食べて生活している。このような掃除共生をクリーニング・シンビオンスといい、同じ習性を持つ魚が世界に50種ほどいる。このホンソメワケベラとそっくりに擬態しているのがニセクロスジギンポ(偽-黒筋-銀宝)である。どちらも体長10pほどで、薄青色の体に太い黒筋が走っている。 ホンソメワケベラは主に温帯域に生息しているのだが、世界中で彼を知らない魚はいない、と言われるほどサカナ界では有名な存在らしい。大型魚が掃除をしてもらいたくてアピールをするのはまだしも、まだ彼を知らないはずの2〜3センチの稚魚でさえもが掃除をねだるという。 かたやニセクロスジギンポはあまり有名ではない。その見事な擬態ぶりに魚類学者さえもがだまされ続けてきたからである。1971年の「科学朝日」にも、その当時はまだ標準和名がなく、奥野良之助氏がつけた仮称だとされている。漁民や学者が気がつかなかったくらいだから、食味や匂いまで似ているのかもしれない。両者の違いは口の形くらいなので、本家のホンソメワケベラでさえ騙されることがあるという。もちろん偽者の存在に気がつけば猛烈な攻撃を開始する。 お掃除魚をやっていくには危険がともなう。寄生虫を食べるつもりで大きな魚に近づいて、相手に気がついてもらえず、逆に食べられてしまう事故があるのだ。そのためホンソメワケベラは、自分が掃除屋であることをアピールするためのダンスを覚えた。しかし、ニセの掃除屋はこのダンスまでもそっくりにマネできる。ホンソメワケベラは住む地域によって、多少の体色の違いがあるが、クロスジギンポは本物に合わせて体の模様を調整する能力まで身につけた。
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