生理リズムをつくり、恋人までを選んでしまう季節のチカラ。「占いなんて統計でしょ!」
と、おっしゃる方のため、プロも絶対に知らない秘密データを大公開。


 女性の生理リズムは季節ごとの日照時間の変動(太陽や月からの光の量)によってコントロールされている。したがって、四季のはっきりした日本の女性は、季節によってエストロゲンやプロゲステロンなど性ホルモンの分泌量が変化する。

 ひたいのすぐ裏側にある、松果体で受信された光量の変化は、視床下部からのコナドプロピン放出ホルモン(LH-RH・性腺刺激ホルモン)の量的な変化となって脳下垂体へとおくられ、脳下垂体から放出されるコナドプロピンは卵巣や子宮からのエストロゲン(発情ホルモン)分泌量をコントロールする。視床下部はまた、卵巣からの卵胞ホルモンの血中濃度を感知して放出周期のコントロールを行っている。

 胎児の性別は性染色体によって決定されるが、出生後の性攻撃性には胎児期のホルモン環境が大きく関与する。母親のホルモン分泌に季節変動と月齢変動がある以上、生まれた子供の気質が、季節によって違うのは当然のことだ。

 子供の気質は、遺伝や体質、血液型、胎児のころに受けた性ホルモンの量。さらに出生して自律を始めたときの脳内物質の代謝レベルなどに影響される。生まれたばかりの赤ん坊は母親の体内リズムから分離され、脳と中枢神経はてんでバラバラに動いているが、生後3・4か月もすれば松果体が発達して外界のリズムを感じ取れるようになり、視床下部が睡眠や各種ホルモンの代謝など生体リズムの司令塔になる。この基本的なリズムのキーが人によって違うわけである。

1966年、オーストリアのビルツェル博士は人を神経活動の違いによって、思索型・感覚型・抑制型の3つのタイプに分け、これらの人の出生日の地磁気について追跡調査した結果、出生時の地球上の磁気の強弱が、精神や神経機能の発達に強い影響を及ぼすことを発見した。また同国の8,000人の女性を調べたところ、地磁気活動レベルが高いと月経周期が長くなり、出産件数が多くなる傾向も認められたという。地球上の磁気活動に一番大きな影響を与えるのは太陽だから、やはりこれも季節による光量変化の影響と考えられる。

11〜1月生まれの女性は同じシーズンに生まれた男性を選ぶ

2〜4月生まれの女性は結婚相手の出生月を選ばない

3〜6月生まれの女性は多産で男児を多く産む


6〜8月生まれの女性は妊娠しやすい


9月〜11月生まれの女性は妊娠しにくい

 帝京大学教授 三浦悌二氏編「生まれ月の科学」(篠原出版)には、女性は自分と同じシーズンに生まれた男性を選ぶ傾向があることが示されている。氏の研究は東ドイツの1,075組の夫婦を調べたものだ。日本では見合婚も多く、自然な相性による結婚が少ないので結果が違うかもしれない、との注釈がついている。しかし、見合い結婚でも当人たちの相性は最優先される。緯度は少し違うが、四季の変化は日本のほうが大きいほどだ。比率ではなく相性に関する限り、東ドイツの統計をベースにしても問題はないだろう。

 この統計によると、冬(11月から1月)生まれの女性の31%もが同じシーズン生まれの男性と結婚している。11・12・01の3ヶ月間だから、1年の1/4。25%でいいはずだ。(私的な調査では、40%近い印象を受ける)夏生まれと秋生まれにも同様の傾向がみられるが、2〜4月生まれは、相手の誕生月を選ばない傾向があるという。自然の動物の多くは出産が春に集中している。春生まれの女性はニュートラルで許容範囲が広いのかもしれない。

 人にも年周の生理リズムがあって、やはり春と秋に大きな出産のピークを迎える。
女性の排卵頻度に影響を与えるプロラクチンの濃度は、年間平均で230μU/ml程度だが、6〜8月にかけては250μUにまで上昇する。このことから夏が、人の自然な受胎シーズン、つまり恋のシーズンなのだといえる。
 
現実に多くの女性の初体験は夏に集中している。また、もしこの間に妊娠すれば、9ヶ月後の3〜5月に出産の時期を迎えるので、春が出生のピークとなるのは自然のナリユキである。母胎のホルモンリズムも自然だから、ナチュラルな気質の子供が生まれると考えるのに無理はない。
逆に10月には、プロラクチンの分泌濃度は190μUにまで下がってしまう。同じ計算によって夏に生れる子供の数は少なくなる。

 かたや男性の性衝動を左右するテストステロン(テストは睾丸のこと。試験のテストと同じ語源)濃度は9月から10月にかけてピークを迎える。ところが困ったことに、この時期の女性は性衝動がおさまって冷静になりつつある。痴漢やレイプなど性犯罪の多くが秋に集中するのはこのためだ。

出生数は文化的な影響も受ける。丙午年生まれの女性は気性が激しく夫を喰い殺す、という流言が広まって、1966年(丙午)には出生率が25.4%も下がった。さすがに我慢できなかったのか、翌年には出生数がぐんと増えた。年間の出生数を細かく見ていくと、5月の連休中に受胎したひとが多いことに気づく。もうひとつの瞬間ピークは正月休み中の受胎で、人類はヒマがあると子孫繁栄に励むものだとわかる。

 生まれ月によって、先天性異常児の発生比率・各種の病気への耐性・双子の出生率・男性の寿命・不妊症の発生率・身長・男女の出生比率などにも変動が見られる。通常、性比率は1.05を基準として1.00から1.10までの範囲でバラツキがあるが、男児と女児、どちらが産まれるかには人種や膣内ph・性交頻度・出産年齢・血液型・食物中のミネラル・その地域の水質などが影響している。

初産婦は経産婦より男児を多く出産する
排卵の前に精子が入ると女児が生まれやすく、あとに入ると男児が生まれやすい
気温が高いと男児の出生が増える。(地球温暖化によってこの傾向が強くなってきた)
初潮が早かった女性は妊娠する年齢が遅い。最大で1.5倍もの差がある
月経周期が短い女性は男児を16%もよけいに産む

 生まれてくる子供の性別は、母親の生まれ月と出産の月とも関係している。
統計をとる年代によって差があるのだが、ある病院の300人から800人の女性を対象とした調査では、3月〜6月生まれの母親は多産なうえ、男の子を多く生む顕著な傾向が見られた。この季節に生まれた母親は6月に男の子を3倍も多く産んでいる。また6月〜8月生まれの女性は妊娠しやすく、不妊の傾向がつよい9〜11月生まれと比較して2倍もの開きがあることがわかった。
 全体的にみると、春先から初夏という自然な出生シーズンに産まれた女性は、配偶者の出生月を選ばず、子供にも恵まれやすいといえよう。出産器官である子宮癌の発症率もほかのシーズン生まれより低い。

 


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全国の100歳以上の老人で調査したところ、5〜7月に生まれた男性の生存率は、月別の出生数から得られる期待値の88%に過ぎなかった。逆に、8〜10月生まれの生存率は121%を示している。(厚生省・1979年)ほかのいくつかの資料でも同様の結果が得られており、夏に生まれた男性の寿命はこころもとない。