祝子川 (ほうりがわ) '04年釣り納め + リベンジ編

祝子川は宮崎県北部大崩山に源(水元)を発する。景色は豪快そのものだ。二階建ての家くらいの巨岩がゴロゴロしていて、渓相はダイナミックの一言に尽きる。


04年9月の3連休。日曜日の夕方キャンプ場に着き、すばやく身支度を調えて入渓した。バンガローの真下なので7〜8人のお客さんが竿を出している。みんなシロートさんだ。同じ場所にかたまってガヤガヤ、これで釣れるワケはない。そこに本格的な釣り姿で登場したワタクシが、たった一分後には、落ち込み直前の急流から一匹を抜き上げていたワケでありますね。衆人環視の中でこれだもの。感嘆の声が聞こえました。

巾広

へっへ。でも釣れたのは15cmくらいのチビッ子でした。
人間でいえば小学校低学年の少女かな。みんなも見ていることだし、写真だけ撮って即リリース!

シーズンももう終わり。近場はキャンパーで場荒れしているので、周辺のポイントを見回ってみた。前日までの雨のせいか、どこも水量が多く、流れも速い。橋の上から眺めながら、あれやこれや思案してみたけど、大場所すぎてアプローチは難しそうだ。ちなみに中央の赤い岩でも巾3mくらいある。
   
キャンプ料は3人でもテントひと張り分の500円。安い!近くの祝子川温泉はだれにおちょくられたのか、PH8もないくせに美人湯を売り物にしているのがイヤだけどこれで帳消しにしてあげる。

しこたま飲んで頭痛で目覚めた翌朝、発電所近くの大場所に行こうとして、ずいぶん頑張ったものの結局たどりつけなかった。ロープを用意してなお手も足もでない大岩に行く手を阻まれたのだ。
いや、たぶん本気で行けば行けそうだったのだけど、途中で滑り落ちそうだったし、どうやったら戻れるのか自信がなかった。草も生えていないナメ岩ってのは取り付きようがない。

やっと竿を出せる場所を見つけて、仕掛けを取り付けようとしたら振れど叩けど穂先が出てこないっ。それで竿を分解しているときにちょっとだけ、狙撃銃を準備中のゴルゴ13みたいな気分になりましたね。
でもここはノーヒット。キャンプ場の管理人さんの話では、登山道を1時間くらい歩けばいいポイントがあるとのこと。
お昼前になってやっと20cm超えのキープサイズが釣れた。(右の写真じゃないよ)

納竿直前だったので、ナイフでエラを取り、ワタも全部掻き出した。すっかり水で洗われて、もう白身だけのヒラキ状態になっているのに、いつまでもバタバタ動いている。ものすごい生命力だ!ためしに水に入れてみたら泳いで行ってしまった!かなりホラーな経験だ。
石化け

大崩山登山道入口近くの三号橋上流にある大滝。中央にある楕円形の岩でも巾10mくらいあり、その息を飲むような豪快さを写真で伝えることはできない。滝壺は広く大きく、5mや10mの竿を出したところでヘチ釣りみたいなもの。ポイントは遙かに遠く届かない。キャンプ場のオヤジさんは、この上流に行けと教えてくれたが、それは不可能というものだ。実際に歩いてみれば判るけど、数メートルもある巨大な岩の前で人間はアリンコにも等しい。オソレをなしてとっとと引き返した。

その下流。水はあくまでも澄んでいる。

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2005年7月30日 祝子川 リベンジ編 (しかも返り討ち)

今、思い起こせば04年の9月、大雨の直後に行って、とっとと引き返したのであった。
が、しかしどうもここは昨年のリバレイのカタログのロケ地らしいぞと気がついて、どうしても釣りたくなってきた。景色の美しさは日本一だ。そこで真夏にもかかわらず滝の上流リベンジマッチを決行した。

現地には夕方6時頃に到着した。手始めに滝壺を攻略。なぁんだ。案ずるより産むが易しとはこのこと。雨さえ降っていなければアプローチも簡単で、フチもそんなに大きくはなかった。6m竿で半分は届くのだ。


日が暮れる前にまず一匹。最初に釣れたのはちびっ子だ。うっかりペンチを持って来なかったので糸を切ってリリースした。


次がこの子。18cm。そろそろ暗くなってきた。黄昏はモノノケたちの時間だから早めに竿をたたんだ。

ここに潜った中学生によると40cmのヤマメがいたそうな


中央のプールの幅は6-8mあって、20cm超えの魚影がいくつも見えるている。でも決して喰いはしない。だれもが簡単にアプローチできる場所なのでスレまくっているのだ。

明日は早起きして登山道を1時間歩き、大崩山(おおくえやま)の美形ヤマメをやっつけに行くのだ。昨年、キャンプ場のおいちゃんに聞いたコースである。準備万端。たっぷりの食料と水分を準備してきた。

三号橋の上手に格好の露営地がある。星空の下、お弁当とビールで夕食をとり、屋根にテントのついたボンゴで寝た。空は晴れている。静かな静かな山の三日月だ。
ところが!グワランドロドロガッシャーン!バリバリガラガラバッキーン!3Dサラウンド大音量の超絶カミナリで目が覚めた。うわぁ山のカミナリはものすごい音量でいつまでも鳴り続くのだ。外は土砂降りじゃないか!大雨で流される岩は濁流の中、激しくぶつかりあって、水中なのに火花が見えるという。こりゃたまらん。

こんなハズじゃないので気がつかなかったことにしてもうしばらく眠る。が、しかし現実は容赦なく降り続く雨である。外が明るくなったので見てみると、近くに一台のレガシィが止まっている。たぶん夜のうちにやって来た釣師が雨で閉じこめられているのだ。
そのうち日産の高級四駆ムラノがやってきた。橋の上でしばらく停まって滝を見ている。これも釣師に違いない。「いいよいいよ。滝は譲るよ。ぼくらは山に登るのだからね」。村野くんもいったんは釣る気になったようだけど、しばらく逡巡したのち帰ってしまった。

ワシラはクルマの中で2時間も待ち、ヒマなのでその間にほとんどの食料を食ってしまった。そのうち小降りになったのでとりあえず橋の下の大場所で竿を出し、あっという間にズブ濡れになった。いったん去ったカミナリさんも戻って来たようだ。こころなしか竿がピリピリする。そうか!これって避雷針を持っているのと同じことかも。。
やっぱ山は危ないなあ。きっと岩場で滑るよなぁ。釣れてもどうせ小さいし。雨じゃせっかくの景色も台無しだよ。ワシラは釣果が目的じゃないもの。自然の生物をイジメてどうなる。地球生命体の一員だろうが。そうだ生き物バンザイ。
と、いうわけで、雨ですっかり意気地をなくしたワシラはリベンジマッチもあえなく返り討ちにあったのでした。ではまたお会いしましょう。

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