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真勢流本筮易 予習編
実習編はこちら

このHPで筮竹を使った本物の易ができるようになります。本筮易は古式の方法ですから、易本来の手間がかかりますが、それだけに的中率の高い占術です。

解説編はこちら

八卦の基本

 

すべての基本は以下の6組の基卦にある。基卦は3つの陰または陽の組み合わせからできており、次の八種類がある。これらが俗にいう八卦の正体である。

天
沢
火
雷
風
水
山
地
けん
しん
そん
かん
ごん
こん

  乾(けん)
天。三本すべてが陽で父、君主、剛健、威厳、積極性、指導者の象意を あらわす。大金、遠方、鋭進、あせり、わからずや などの意味がある。

  兌(だ)
沢。湖水、動かない水。悦び、少女、愛敬、口説、口、妾、卑しい。下の二本の陽爻を大地とみて上陰を水の溜まった窪みとして覚える。

  離(り)
火。太陽、つく、離れる、中女、美、麗理、知性、学問、夏など。中が陰で暗く外炎が陽で明るい炎の形、または坎(水)と逆の形。

  震(しん)
雷。能動的に強く動くもの、働く、長男(成人男性)努力、勇気、春雷。 下の陽爻を地面とみて、雷が雲をふたつにつんざいて落ちている形。

  巽(そん)
風。従順、命令に服する、樹木、長女(成人女性)入る、へりくだる、譲る、隠す。乾(天)の大地に接する1本が変化して風になった形。

  坎(かん)
水。障害に苦労しながら流れる。冷たい、困難、危険、盗む、苦しむ。水という漢字を横にした形の卦。離はこれの逆バージョンなので覚えやすい。

  艮(ごん)
山。どっしりとして動こうとしない。止まる、停滞、頑固、篤実、男。初陰と二陰が尾根を表して全体が山の形をしていると覚える。

  坤(こん)
純陰で自分から進まず大地の役目をはたす。后の位。従順、母、迷い心、消極、衰弱などの象意がある。

 


算木の置き方

立筮には5組(一組は3本x2)の算木を用意して、始める前に次のように配置
するのが古式の方法だった。

爻卦
本卦
之卦
沢
沢
山
火
   

江戸から明治の後半までは、上図の本卦のように(沢山咸)が易者のシンボルマークとして使われていた。この卦の形は若い男女(沢=女性 山=男性)を表していて、恋愛・結婚の象徴でもある。易は昔から恋愛トラブル解決のスペシャリストだったらしい。
つかえる時間のたっぷりあった昔は、上の形に並べる間に集中していったのだろう。しかし、なにかと気ぜわしい現代、かかる時間が長すぎるとコンセントレーションが続かなくなる。また実際に易を立ててみると、ひとつのことに集中するあまりに、途中でどこまで立てたのか分からなくなることもある。
現代では下図のように並べるようになって、易者のサイン・シンボルにも(地天泰)が使われている。この卦は安泰・平穏・結婚をあらわす易一番の吉象だとされる。
卦の形は上に地が、下に天があることを表している。地は下がる方向であり、天はあるべき位置を求めて上がろうとしている。上下から臨みあい進みあうから安定するのである。

 
爻卦
本卦
(現在)
之卦
(未来)

   

最初に、算木を上図のように並べておく。天と地の2種類だけなので覚えやすい。この算木に、筮竹でだした陰陽()のサインを、左手前(地文の下)から順に算木に写していくと など、3桁で構成された基本の卦が得られる。これを基卦といい、意味は上の「八卦の基本」で示した。
基卦を2つ一組で爻卦と呼ぶ。最初に出した基卦(3本)とつぎに出した基卦(3本)の2セットで地文の爻卦ができる。「爻」という文字は上と下に卦(乂)が重なった形として覚えるとよい。爻卦を単純に「卦」と呼ぶこともある。
水山なら水山蹇という爻卦になる。爻卦の下(右)側にあたる基卦を内卦または下卦、上(左)側にあるものを外卦または上卦と呼びならわす。

本卦の合計6本の陰陽は3組の爻卦を構成する6つの基卦から導かれる。6つの基卦=18個の陰陽を得るのに筮竹を使うが、あとの卦は自動的に算出される。之卦(しけ)は本卦に(坤)か(乾)がある場合にだけ、本卦とは違ったものがあらわれる。

陰陽がデジタルで表された3桁の八卦を、2つずつ組み合わせる8x8=64種類の爻卦ができる。八卦それぞれに意味があるが、組合わさった爻卦にもそれぞれ意味がある。
爻卦は地文・人文・天文のそれぞれに1/64の確率であらわれるので、全部で64x3=262,144通りの組み合わせが可能になる。もちろん毎回状況が違うので、たまたま同じ爻卦になったからといって同じ意味だと判断することはできない。
爻卦のそれぞれを人間関係に寓意したり、卦の形から連想して判断していく。季節や方位もあるが、実用性に不安があるのでここでは割愛する。真勢流では爻辞を用いないのも特徴である。

参考までに古書には、易で判断できることとして、
天候 季節 寒暖 地理・地勢 作物の出来 ものの形 実体のある物 体つき 体質 気質 病気および疾患の部位 運気 これから起こる出来事 方角 願望 方策 盛衰 関係 婚姻 売買 物価 失せもの 追跡 妊娠 住居 将来 先見 待ち人 雇用 地位 職業 旅行 訴訟 ことの真偽 幸不幸 災難 進退 談判 音信 進展の遅速 時間 年月日 荒廃 結果 富貴 学問 修行 怪異 などが挙げられている。

需要のあるところに供給があるとはいえ、その応用範囲はとどまることを知らない。無理をしてこじつけをおこない、尊敬と信用を失ってきたのも自然の流れだった。

いくつかの爻卦は、事態の進み具合によって意味に二面性が発生する。吉と凶、どちらにとるかはひとつの爻卦だけでは分からない。現実の状況と、卦面全体の雰囲気を照合して判断していく。

 


卦の場所と判断の方法

5組の算木は以下のように展開される


 















 



         
 



         






















文/


 































 































本筮易では上図のように9組の爻卦から判断する。こみいった問題のときには之卦からも主爻・互卦・伏卦を出すことがある。いかにも複雑そうで尻込みしそうになるが、略筮のほうが単純すぎて判断しにくい。よほどの問題でない限り、地文・人文・天文と本卦の4組だけで事たりる。実際に立筮してみると、卦面全体に一貫したムードのようなものがあらわれるので、総合的に観ていけば誤ることはない。

 

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